放置子実話(2)専業主婦でも?子供の心に耳を傾けないと・・
親に放置されて一人で過ごすうちに心理的な問題を抱えるようになる「放置子」。
子供を放置子にすることは、もちろん周囲への迷惑にもなるのですが、なにより子供を不幸せな目に合せてしまいます。
今回の記事は、お母さんが専業主婦にも関わらず「放置子」になってしまった子供のお話です。
親がいるのに放置子。
一見矛盾するようですが、「家にいる、いない」ではなく「子供の心に注意を向けるか、向けないか」が子供の孤独に大きく影響を与えるということが分かります。
お母さんが専業主婦でも・・心理的に放置される子供の哀しさ
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R子さんの家のチャイムが鳴りました。
インターフォンに出ると、近所に住む小学3年生のYちゃんの声が聞こえます。
「お母さんが、出かけちゃっておうちにはいれないの・・。入れて?」
こういうことがたびたびあるので、R子さんは内心苛立っています。
Yちゃんは確かに可哀想・・だけど、
「Yちゃんのお母さんは、いったい何をしているんだろう・・!」
Yちゃんのお母さんは専業主婦です。
「出かけるなら声をかけるとか、Yちゃんを寂しくさせないようにどうして出来ないのだろうか。」
R子さんだけでなく、実は近所のお母さんたちもYちゃんを敬遠しています。
「お母さんがいない。寂しい。」と言っては、上がりこもうとするからです。
「Yちゃんのお母さんは、このことを知っているのだろうか。」
R子さんは不愉快に思いながらも、時々みかけるYちゃんのお母さんの冷たそうな顔を思い浮かべると、妙に納得もするのでした。
R子さんとYちゃんの出会い
Yちゃんはいつも外で、暗くなるまで遊んでいました。
遊ぶ相手がいる時もありますが、なぜか一人寂しそうにしている時もあります。
R子さんはそんな時にみかねて声をかけました。
Yちゃんによると、お母さんは「外で遊んでいるうちにいつも出かけちゃう」とのこと。
そんなYちゃんは携帯電話を持たされていますが、お母さんには絶対にかけません。
その理由も、Yちゃんは話してくれません。
「問題が無い」んじゃない。「お母さんに言えない」だけ
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その日も出かけてしまったお母さんを、YちゃんはR子さんの家で待ちました。
時々家へ様子を見に行かせますが、今日はなかなか帰ってこないようです。
R子さんは、「今日こそ」と思い、Yちゃんに強く諭しました。
「困ってるんだから、お母さんにちゃんと言わないとダメだよ。電話もどうしてかけないの?お母さんは出てくれないの?家のカギを持たせてもらえないの?
いつもと様子が違うR子さんに怯えた様子で、Yちゃんは口を開きました。
「お母さんは、電話をかけるといつも機嫌が悪いから、かけたくない・・。家のカギは、何度頼んでも作ってくれないから、あきらめたの・・」
「これはネグレクトだろうか?」
R子さんは虐待を疑いましたが、Yちゃんは身なりも普通でケガもありません。
ご飯もちゃんと食べているようだし、学校へもちゃんと行っています。
お母さんは、育児ですべきことはしている。
「ただ無関心なだけ」
それだけですが、R子さんはYちゃんの家庭に問題があるとしか、思えませんでした。
Yちゃんは今までの経験から、親とコミュニケーションをとることをあきらめてしまいました。
親からすれば、
「今忙しいし、面倒だから好きにしててよ。」
「何か問題があれば携帯で電話すればいいでしょ。」
それくらいの気持ちだったかもしれません。
でもそれが続くと、子供は親の援助をあきらめてしまいます。
何も訴えてこない子供をみて「好きにしている。自由にしている。」と思うのは、親の怠慢ではないでしょうか。
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