子連れ再婚「継父による虐待」は相談されず重大事件になりやすいという統計的事実

平成24年度の児童虐待について「児童相談所への相談者数」と「警察によって検挙された数」を調べてみると、一つの事実が見えてきます。

それは

「義理の父や母親の内縁の夫による連れ子への虐待は、児童相談所へ相談されずに事件として発覚しやすい」

ということ。

言い換えれば相談されないで放置されている深刻な虐待が多いということです。

この事実が示すことは「虐待が起こった時、再婚した母親たちが子供を守り切れていない」という現実ではないでしょうか。

もしあなたが子連れで、恋人との再婚や同居を考えているなら、自分事として考えてみなければいけないことかもしれません。

もちろん私自身もです。

(注意:この記事は「再婚は虐待が起こりやすい」ことを示すものではなく、「虐待が潜在化しやすい」ことを示すものです)

義父から連れ子への虐待「相談数に反して高い検挙数」が示すもの

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厚生労働省によると、平成24年に児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談数は66,701件

虐待者の構成は、

実母57.3%、実父29%、義理父・母親の内縁の夫6.2%

(厚生労働省)

となっています。

実母や実父による虐待と比べると、義理父や内縁の父からの虐待についての相談件数は少ないものです。

でもそもそも全ての世帯の中で義理父がいる世帯の数は少ないでしょうから、この位なのかもしれません。

ところが一転して警察による平成24年度の児童虐待検挙数を見てみると、ショッキングな事実が判明します。

平成24年に警察が検挙した児童虐待件数は476件

虐待者の構成は

実父38.3%、義理・母親の内縁の夫36.4%、実母21%

(内閣府H25年度版「子ども若者白書」より)

継父や母親の内縁の夫による虐待数は、実父による件数にせまる勢いです。

先にも書いた通り、そもそもの母数も少ないし、相談件数も少ないのに・・

なぜでしょうか?

それは冒頭にも書いた通り、

「深刻な虐待がありながら対策がとられていない」

ということだと思います。

お母さんは新しい夫や恋人たちの暴力から、子供たちを守ることが出来ないでいるのです。

なぜ再婚相手の暴力から子供を守れないのか

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「深刻な虐待がありながら対策がとられない」

この背景には何があるのでしょうか?

母親が虐待に気づいていないのでしょうか?

そういうことも、もしかしたらあるのかもしれません。

でもおそらくは、

「母親が再婚相手や同居人に対して、断固とした態度を取ることが出来ない」

のだと思います。

虐待を止めるように言う

止めなければ児童相談所へ行く

改善されなければ別居する

離婚する

このような「子供を虐待から守るための行動」が、何らかの理由でとれなくなっているのだと思います。

それは、「彼に嫌われたくない」という心理かもしれませんし、母親自身も暴力などによって支配されているのかもしれません。

理由は何にしろ子供を最優先に考えることが出来ない状況に陥っているのでしょう。

ではそこで私たちが考えなければいけないのは?

それは

再婚後、いかなる状況でも子供のために再婚相手に「No」と言えるか

です。

新しい夫や恋人に依存したり、服従してしまうということは無いでしょうか?

もし自分が、夫になる予定の人物に対して、顔色を窺ったり本音を言えないでいるのなら・・

再婚後に子供を危険にさらす可能性は、とても高くなります。

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